中長期的な目標としては、OMOを強化していくことですね。OMOとはオンラインとオフラインを融合して顧客体験を最大化するマーケティング戦略のことで、今まで以上にお客さまに寄り添ったECサイトの構築などが必要になると考えています。また、接客のデジタル化も推進していきたいです。
店舗の接客は「挨拶」「案内」「質問」「相談」という4領域に分かれていると考えており、「案内」は売場案内ツール、「質問」はAIチャットボット、「相談」はリモート接客といったシステムの導入を目標としています。特にリモート接客はDCMのファンづくりの要ともなる施策だと考えています。出産や介護などで店舗勤務が難しい従業員でも、隙間時間に働くことができますし、お客さまにとってはどの店舗に足を運んでもプロの意見を聞けるというメリットがあります。
ただ、どれだけ技術が進化しても「挨拶」だけはホスピタリティを持った「人」が担当し続けるべきですね。人との触れ合いを生み出せるのが店舗の良さであり、挨拶がコミュニケーションの始まりにもなりますので。リアルとデジタルを組み合わせて、お客さまの満足度を向上させたいです。
コロナ禍を経験したからこそ、生身の人間によるホスピタリティの大切さに皆が気づかされましたよね。それと、現在は部署としてデータ分析にも力を入れています。
そうそう。実は、小売業界はデータの宝庫なんです。お客さまの購入データや会員データ、ECサイトの購買データなど、業務やマーケティングに活かせるデータが膨大にあります。AIカメラでお客さまの行動を分析すれば、棚の高さや商品の配置を改善することも可能です。データを用いてPDCAを回すことは、顧客体験と売上の向上に直結するものだと考えています。