2018.12.19 静電気の「バチッ!」を防止する方法は?

「静電気」とは、一般的に「ものともの」とが触れ合ったり、擦れ合うこと(摩擦)によって発生する電気です。
周囲の空気が湿っていれば、そちらにすぐ流れていってしまう性質があるので、梅雨時などに静電気の「バチッ」が起こりづらいのはそのせいといえます。
でも電気を通しにくい環境(空気が乾燥している)かつ、摩擦で蓄えられてしまった電気が、電気を通しにくい物質に囲まれていた場合、電気はそこにとどまることになります。とどまって、動かない電気=「静」電気といわれるゆえんです。
たまってしまってはいるものの、電気には「流れよう」とする性質があるので、金属のドアノブなど電気を通しやすいものに触れた瞬間、たまった大きな電気が、一気に、指先などといった「一点」に集中して流れてしまいます。
このとき、火花のような音や光を伴い(放電現象)、「バチッ」となるわけです。直接触れていなくても、近づいただけで電気が空中を飛んでしまうこともあります。
冬は、他の季節に比べ、衣類を何枚も重ねて着ていることが多いもの。加えてよく動く人、子どもなどは特に摩擦される度合いも大きいものです。
実はわが家で一番、いわゆる「静電気」の被害に遭っているのは小2の三女なのですが、メカニズムから紐解いてみれば、「なるほど〜」と思わないではいられません。家事やら何やらでせっせと動いている人というのも、そうでない人より「バチッ」が起こりやすいのではないでしょうか。
ただ単にこの「バチッ」が、不快なだけなら、我慢すべきなのでしょうか? 実は、私たちの日常生活の中ではピンと来にくいことですが、「静電気」のもたらすもっともわかりやすく大きく恐ろしい害というのは、「火災」を引き起こしかねないということなのです。
例えば可燃性のガスが発生する環境(ガソリンスタンド)や、細かな塵(粉塵)が発生しがちな環境(工場など)では、一瞬の「バチッ」による放電の際に、発生した「火花」が着火源となってしまい、大規模な爆発事故につながることもあります。(意外と件数としては珍しくありません!)
また、「静電気」が引力を生じ、機械類の動作不全を引き起こしたり、「静電気」の力でものに異物が吸いつけられて、変に汚れたりといった害も報告されています。
一般的にドアノブで「バチッ」と来るくらいの電流では命に別条はないと言われていますが、電圧の大きさや流れてしまった部位によっては、強い痛みを生じたり、皮膚にやけどのような跡がついたりすることもあります。
また、「静電気」によって吸い寄せられたホコリで、衣類や身体の皮膚や髪が汚れてしまうという害もあります。春先には特に厄介な花粉なども、この「静電気」で吸い寄せられやすいので、花粉症症状を悪化させる原因になったり、ゆめゆめ軽視できないのでした。