2018.12.26 「今月のBEST OF THE BEST」〜洗濯物が乾きにくい、冬の洗濯対策

外に干していた洗濯物。午後、取り込もうとすると、まだあちこち湿っている……。冬場の洗濯で、しばしば経験することですよね。
「天気は晴れで、乾燥注意報も出ていた。最高気温は5度で、一日中寒かった」。でも思えばそんな日に「洗濯物が乾いてない!」。晴れていて乾燥していて、乾かない? 心情的に解せません。どうしてそんなことになるのでしょう?
洗濯物が「乾く」という現象は、洗濯物に含まれていた水分が、空気の中に「移動する」ことで起こります。そこに関わるのは、周囲の空気環境。つまり、気温、湿度、そして風(空気の動き)の強弱です。
気温は高く、湿度は低く、空気に動きがあるほどに洗濯物は乾きやすくなります。(実のところ天気が「晴れ」かどうかは、それほど関係しません。)中でも気温と湿度の関係がカギです。
空気には、気温が高くなるほど、たくさん水分を含むことができる(飽和水蒸気量が大きくなる)という性質があります。逆にいえば気温が低くなるほどにその量は小さくなってしまいます。
つまり冬の低い気温下では、洗濯物に含まれていた水分が空気の中に移動しにくくなってしまう、洗濯物が乾きにくくなるということなのです。
部屋干しをするなら床暖房やエアコンなど、室内に燃焼に伴う水蒸気を発生させないタイプの暖房器具を使い、部屋の中の気温をしっかり上げるのが洗濯物を上手に乾かす秘訣です。
屋内は屋外と比べ、そもそも「洗濯物の水分を含める空気の総量」が圧倒的に少ないわけで、うっかりすると湿度の上がった暖かい部屋で、濡れた洗濯物を長時間干しっぱなし、ということになりかねません。細菌繁殖による部屋干し臭が発生してしまうリスクが高いのです。
前述の「飽和水蒸気量」で言えば、屋外の気温が5度の場合、6.79g/m3だった飽和水蒸気量は、気温20度では17.2g/m3と、2.5倍にも増えます。
加えて、エアサーキュレーターを併用して風を発生させ、洗濯物周囲の空気を動かすことで、乾燥を早めることです。
干し方は屋外干し同様、洗濯物同士をなるべく密着させないことは大切なポイントになります。