2025.08.20 ペットの避難生活はどんなもの?普段からわが子にしてあげられること|ペット防災を考える

基本は「同行避難」、ただし避難所では一緒に過ごせない可能性が高い
災害が起きて避難が必要な時、ペットを連れて「同行避難」するのが原則です。しかし、ペットを受け入れられる避難場所は限られています。まず、お近くの避難所はペットも一緒に避難できるか確認しておきましょう。避難時は安全確保と脱走防止のため、クレートやバッグに入れることやリードにしっかりつなぐことが必須です。
避難所は多くの被災者が集まる場所です。お年寄りや子供、病気の方、アレルギーの方もいます。公衆衛生上の判断や病人への配慮から、ペットと人間が同じ空間に密集して入り混じることは基本ありません。居場所を分ける「棲み分け」が行われます。災害状況や地域の状況によっては、人間の避難場所と違うペット専用の避難場所に移動されることもあります。
避難所でのペットの生活イメージ
避難所では、人間もペットも、それぞれの居場所で集団生活になります。
ペット専用の飼養スペースを設け、そこにケージ・クレートを並べたり、重ねたりします。ペット同士で目を合わせないように、板で仕切られたり、ケージに毛布やタオルを掛けることが多いです。基本的には、必要な散歩以外、食事も排泄も一日のほとんどがケージやハウスの中で過ごすことが増えます。飼養スペースをサークルで囲って、犬がケージから出てサークルで過ごすこともあります。
ペットのお世話や管理も、避難所のルールに従って飼い主本人が行う場合と、避難所運営側がとりまとめて行う場合や、ボランティアが行う場合があります。
ご飯の心配もあります。避難所のペットのごはんは、支給または寄付されたペットフードがメインです。しかしそれが普段食べなれているものと異なる場合ば多い。どんなフードでも食べられるようにしておけば安心ですが、食習慣はペットによって違います。普段はフードやお気に入りの缶詰を多めに準備し、ペット用持ち出し袋にいつも使っているお皿や好きなおやつ等を入れておくと少し安心です。食事の回数も、1日1回だったりします。
ペットはほかのペットとの集団生活の中で、長時間ケージやハウスで過ごし、知らない人と接する場面が増えます。ペットの避難生活は人間同様、ストレスが増えやすい状況です。
自宅避難する場合のペットの注意点
自宅避難ができる場合、ペットにとっては住み慣れた場所なので、避難所より少し気が楽になるかもしれません。同時に注意点もあります。
まずは安全に過ごす場所の確保です。庭に出られなかったり、使えない部屋があったりすると、ペットが安全に活動できる範囲もいつもと違ってきますので、飼い主の注意が必要です。
フードや水、消耗品は、普段から多めに準備し切らさないようにすると安心です。人間は最低1週間の食品備蓄が望ましいですが、災害時ペットフードの供給が人間の分より遅れることが多いですので、2週間~1か月分目安に用意しましょう。
災害の状況変化によって、一時避難する場合もあります。ペット持ち出し袋を準備しましょう。また、飼い主が災害対応で外出する際、ペットの脱走対策も必要です。
1か月分の備蓄とペット用持ち出し袋
ペット用備蓄は最低5日分と言われていますが、実際は人間のものよりペット用品の供給が遅れる場合が多いです。2週間~1か月分目安に準備しましょう。また、ペット用の持ち出し袋を用意しておけば、いざとなるときも慌てずに済みます。
準備する用品リストに優先順位があります。最優先はペットの命と健康にかかわるもの。薬、療法食含む普段食べているご飯、水、使い慣れた食器。次優先は、ペットの情報がわかるものと衛生用品。もしもの時に備えて飼い主やペットの情報がスムーズに周囲に伝わるペット手帳や、排泄関連用品など。最後はリラックスできるもの。ストレス緩和のためのおもちゃ、ケア用品も入れておくと安心です。