球根の植え付け
球根は貯蔵養分の量が多く、病害虫に侵されていないものを選ぶことが大切です。購入時には次の点をチェックしましょう。
①傷が付いていないか
②堅くて充実感があるか
③腐れや病斑がないか
④異常に小さくないか
秋植え球根
品種 | 深さ・間隔 | 植え付け時期 | 花期 | ポイントアドバイス |
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チューリップ | 球根の3倍ほど/10~15㎝ | 10~12月 | 3月下旬~5月 | 花後に花弁が葉の上に散ると葉が腐り、球根の充実を妨げます。葉が黄変したら球根を掘り上げましょう。 |
ユリ | 球根の4~5倍とかなり深めに | 10~12月 | 5~8月 | 球根の下から出る根は植物を支える役目だけで、養分は茎の土中部分から出る根が吸収するため、深植えが重要なポイントです。 |
スイセン | 球根の約3倍ほど/10~15㎝ | 9~10月 | 12月~翌5月 | 植え付け場所や用土は排水の良さが絶対条件です。根が深く伸びるので、庭なら深く耕しましょう。2~3年は植えたままで楽しめます。 |
アネモネ | 約5㎝/12㎝ほど | 9月下旬~11月 | 3~5月 | 9月下旬以降に平らな方を上にして植えます。球根が小さいので密植になりやすいのですが、生育が旺盛なので間隔は広めにとります。 |
ヒヤシンス | 球根の約3倍ほど/15㎝ほど | 9~11月 | 3~4月 | 砂質土壌を好むので、鉢・プランターともやや砂を多く加えると良いでしょう。花壇でも粘土がかった土であれば、砂を加えます。 |
ムスカリ | 3~5㎝/なるべく密植させます | 10~11月 | 3~5月 | 3~4年は植えたままでも楽しめますが、葉が早く出て姿が乱れます。花が終わったら花穂を切りとり、茎葉が枯れたら掘り上げて、涼しいところで休眠させます。 |
フリージア | 約5㎝/5~10㎝ | 9月下旬~12月中旬 | 2~5月 | 球根を育てるためには、早めに花を摘みとり、葉が黄色になったら掘り上げて、日陰で乾燥させ、涼しいところで貯蔵します。 |
春植え球根
品種 | 深さ・間隔 | 植え付け時期 | 花期 | ポイントアドバイス |
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カラー | 約10㎝/15㎝ほど | 3月~4月下旬 | 6月中旬~7月 | 水辺に植えたもの以外は、通風を良くして乾燥気味に育てますが、盛夏は夕方にたっぷり水をやりましょう。 |
アマリリス | 球根の肩が見えるくらい/20㎝ | 3~4月 | 5~7月、10月 | 鉢植えは植え付けてすぐに固形肥料を与え、その後も肥料切れしないよう注意しましょう。植え付け後しばらくは水を控え(3週間くらい)、その後はたっぷりと水をやります。 |
ダリア | 5~10㎝/50~60㎝ほど 巨大輪種は1m前後間隔をとります |
4~5月 | 5~10月 | 芽が地上に出たら、大輪種で1つ、中小輪種で2つほど残して根元からかきとり、その後育成に応じて葉脇から出る芽もかきとって(少しは残す)天花を楽しみましょう。 |
グラジオラス | 5~10㎝/10~15㎝ほど | 4~7月 | 6~10月 | 日当たりと通風が良く、アヤメ科の植物を植えたことのない場所が最適です。芽が出たら土寄せをしたり、開花前にネットやテープなどで倒れるのを防ぎます。 |
夏植え球根
品種 | 深さ・間隔 | 植え付け時期 | 花期 | ポイントアドバイス |
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リコリス | 7~10㎝/5~13㎝ほど | 6~9月 | 7~9月 | 水はけと日当たりが良く、保水性に富む場所が最適です。数年間は植えたままにした方が、花立ちが多くて見事です。鉢植えは8月上旬までに植えます。 |
サフラン | 5~10㎝/3~5㎝ほど | 4~7月 | 10月下旬~11月上旬 | 有機質に富んだ、水はけと日当たりの良い場所に、なるべく大きな球根を植えます。地植えなら3~4年はそのままで。プランターでの密植や水栽培も楽しめます。 |
コルチカム | 20㎝/10㎝ほど | 8月~9月下旬 | 9~10月 | やや軽い、排水の良い砂地がかった土質を好みます。植えっぱなしでもよく開花し、肥料も早春に化学肥料を少し施す程度で十分です。 |
【深く植え付けるのがポイント】
ユリやフリージアなど、球根の上から根が出たり、新球ができたりする種類は、ほかのものと違って深く植え付けるのがポイントです。鉢植えにする場合は、底の深い鉢を選びましょう。スイセンやユリの葉にぼんやりとしたまだら模様が現れ、株が萎縮して生育が悪くなります。またチューリップの場合は、花にまだら模様が出ます。モザイク病はウイルスによる伝染病で、発生したら致命的で治す方法はなく、見付け次第引き抜いて処分します。予防法としてはベンレート(粉剤)を入れたビニール袋に球根を入れ、よく振ってまぶします。
※手に付くとニオイがとれないので、手袋をしましょう。
ダリア・チューリップ・ユリ・ヒヤシンスなどに発生する病気で、地際部からやわらかく腐敗し、地上部では黄変して枯れてしまいます。球根も上部から侵され、軟腐してしまいます。発生は高温多湿時が多く、発生した株は薬剤でも治療はできません。対策としては連作をしないことです。また球根は掘り上げた直後に消毒液に浸しておきましょう。
※その年咲かせた球根は、病気や栄養不足になって育たないことが多いので、毎年新しいものを購入することをおすすめします。