開花後の球根の管理

目を楽しませてくれた花の季節が終わったら、来シーズンに向けて球根のお手入れを始めましょう。
花後の球根は生育段階にあるので、多くの養分をつくる茎や葉は切らないでおくのが基本です。
この時期、しっかりと球根を肥らせておけば、来年もまたきれいな花を咲かせてくれます。

生育期間の短い秋植え球根は、いかに短期間に球根を大きくするかがポイントです。そのためには、できるだけ地上部の緑を長く保ちたいものです。10月ごろまで生育するユリの場合も、花後すぐに茎を切ってしまうと、栄養活動がスムーズに行われなくなり、地下の球根も肥大しなくなります。

●花ガラ摘み

花が咲いたままにしておくとタネを結び、養分が種をつくるのにとられて、球根が十分に肥大しなくなります。そこで、花が終わりかけたら、早めに小房(花の下端の膨らんでいる部分)ごと摘みとるようにしましょう。

チューリップ

チューリップやスイセンなどは、子房のみを折りとり、茎は自然に枯れるまで残します。

ムスカリ

ムスカリなど穂咲きのものは花茎を元から切りとります。

●追肥

花が盛りの時期に化学肥料の追肥を行い、花ガラを摘み終えたら液肥も与えておきます。遅効性の有機質肥料を与える場合は、つぼみが色づき始めるころが目安になります。油かすだけではチッ素過多となるので、骨粉を半量加えたものを用いましょう。またカリが不足しがちなこの時期には草木灰もおすすめです。

●水やり

開花後、掘り上げまでの間は、土の表面が白っぽく乾いたらたっぷりと水を与えます。

●病害虫の防除

花ガラ摘みの後に1回、殺虫・殺菌剤を散布して、病気や害虫のアブラムシを防除します。生育を阻害するばかりか、ウイルス病を媒介するアブラムシは特に要注意です。

開花時期の長い春植え球根は、花が咲いているうちに肥料を多く与えておくことが、球根を大きくするポイントになります。生育期間が長いので有機質肥料を与えると良いでしょう。
摘芯や切り戻しをして次々に花を咲かせるダリアは、肥料切れに注意するとともに、アブラムシやハダニ類などの被害にも注意してください。グラジオラスは、花が上まで咲き終わってから、葉を傷付けないようにして花穂を折りとり、乾燥に注意して育てます。アマリリスは早めに花首を摘みとり、秋まで肥料をたっぷり与えてください。密閉タイプのポットに植えられている場合は、容器が小さすぎて根が十分張れなくなるので、花後一回り大きな鉢に新しい用土で植え替えて育てましょう。

ドライバーなどでふたをこじ開けて、鋏でふたを切って取り除き、ポットから取り出します。

土を落としてから、前の鉢より大きい鉢に植え込みます。土は水はけの良い土を選び、球根の肩が出るくらいに浅く植えます。

リコリスには秋に花が咲いて葉を生じる種類と春になってから葉の出る種類がありますが、植え付ける時期はどちらも7月から8月です。この仲間は休眠中でも根が多少活動するので、ほかの球根類のように掘り上げての乾燥貯蔵は普通は行いません。

●鉢植えと庭植えでは、管理も変わります。

インドアでも手軽に球根栽培が楽しめる鉢植えですが、鉢には限られた量の土しか入らず、短期間に土が劣化しがちです。そこで大切になってくるのが毎年の植え替えです。ムスカリやクロッカスなども養分をたっぷりと含んだ新しい土に植え替えます。また移動が簡単な鉢植えは、葉が枯れるまでは日光が当たり雨の掛からない場所に置き、葉が枯れたら涼しい日陰に置きます。

球根類の多くは、生育期が終わると土から掘り上げて貯蔵しますが、これは原産地と日本の気候条件の違いによるものです。秋植え球根は夏に乾燥する地域を原産地としますが、高温多湿な日本では、夏に土中に植えっぱなしにすると球根が腐食しやすく病害にも侵されがちです。時期や草花の種類によって、掘り上げ方や貯蔵法が異なるので、よく理解してから作業を行いましょう。

秋植え球根は5月末~6月ごろ、茎葉の1/3ほどが枯れてきたら掘り上げます。チューリップやムスカリなどは地上部を切りとって掘り上げ、土を落として水洗いし、ベンレート水和剤の500倍液に30分ほど浸すか、粉剤をビニール袋の中でまぶして通風の良い日陰で乾燥させます。スイセンは葉の1/3ほどが黄色くなったころ、葉を切らずに掘り上げ、10球くらいずつ葉を束ねて日陰で乾かします。すっかり葉が枯れたら切り離してチューリップなどと同じ方法で貯蔵します。

球根の掘り上げと貯蔵(チューリップ)

掘り起こした球根は土を落としてからベンレート(水和剤または粉剤)を付け、よく乾かした後ネットに入れて風通しの良い場所で保存します。

ダリアは、11月に入って一、二度霜が降り、地上部が黒く枯れてきたら掘り上げます。グラジオラスは9月~10月上旬、茎葉が1/3ほど枯れた時が適期です。掘り上げ方は秋植え球根に準じますが、ダリアは土を落とす時に首部を傷付けないように注意しましょう。グラジオラスはスイセンと同じく葉を切らずに掘り上げ、葉が枯れるまで陰干ししてから球根を外します。アマリリスは10月末ごろ、葉が変色したら水やりをやめて鉢土を乾かし、鉢植えのまま凍らない場所で冬越しさせます。春植え球根は乾燥に弱いので、ピートモスやバーミキュライトなどに埋め、発泡スチロール製の箱に入れておくと良いでしょう。

草花球根を家庭で簡単に増やすには、自然分球と鱗片(りんぺん)分球の2つの方法があります。ここでは、球根が生長する過程で自然に分球する性質を利用する自然分球について紹介しましょう。

自然分球を成功させるポイントは、手で簡単に分けられるようになるまで据え置くことです。無理をして早い時期に分球すると、球根を傷付ける恐れがあります。
ユリは母球が分球するほか、茎根の発生する箇所に木子が、地上部の葉の付け根に珠芽(むかご)が発生します。母球から分球した大球根は翌年に開花し、木子や珠芽などの小球根は植え付けておくと苗が得られます。グラジオラスやフリージアは、子球が肥大したころには母球は消耗してしまうので、子球のみを繁殖に使います。またダリアは塊根で肥大した根の1つずつが分球の対象となります。ただし、どの塊根にも必ず首部にある芽を付けて切り分けなければならないので、多少熟練を要します。

スイセンの分球

ダリアの分球

ユリの増やし方

【A】リコリス・オーリアは南九州から台湾にかけて自生し、ヒガンバナよりも寒さに弱いのですが、冬越しをして秋に葉を伸ばしているので、原因は寒さではありません。考えられるのは、夏の葉のない時期に乾燥させすぎたことです。鉢植えは特に乾燥しがちなので、真夏の間は西日が避けられる場所に露地植えすることをおすすめします。

【A】一般の秋植え球根と同じように植えたのではないでしょうか。ラナンキュラスの球根は大変乾燥した状態で販売されているものが多く、これを一般の秋植え球根のように植え付けると、急激に水を吸って膨らみ、組織が壊れて腐敗してしまいます。まず軽く湿り気を与えたバーミキュライトなどの上に球根を並べ、1週間ほどして球根が膨らみ、発根・発芽してから植え付けます。

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