2020.01.15 「今月のBEST OF THE BEST」~生活感をへらすコツ
ここ、めっちゃ「生活感」あるね。
うわぁ、「生活感」まるで感じないね。
誰かの住まいを評して、よくこんな言い回しがなされます。自分でも言ったり、人がいうのを聞いたりしたことがある人も多いのでは?
でもこの「生活感」って、ずばり何を指しているのでしょう。辞書的に答えるなら、生活感とは「人が(そこで)暮らしている雰囲気」のことをいいます。
実際にそこが人の住まいであり、誰かが実際に生活をしている場であるなら、「それ」があるのは当たり前。いい悪いといった問題ではありません。
でも、言外に、微妙なニュアンスをこめることがある(できる)のが、この「生活感」というワードの難しさ。先ほどの、
ここ、めっちゃ「生活感」あるね。
には、「①(だから)すっごく、くつろげる!」という感想が続くこともありますが、逆に「②ゴチャゴチャしていて、落ちつかない!」ともなりえますし、
うわぁ、「生活感」まるで感じないね。
にも、「①モデルルームみたいで綺麗! 素敵!」という含意のほか、「②(おかげで)なんだか、落ちつかない…」のようにマイナスの感想につながる余地もあります。
住まい…「部屋」というのは、おおむね直方体の四角い、限られた空間ですよね。そこを買うなり借りるなりして、はじめて足を踏み入れたような時点では、おおかた「なにもない」状態で、あったはず。ゆえに「生活感」も皆無だったのではないでしょうか。
しかしそこに、徐々に、生活を支えるための「モノ」が取り入れられていきます。そのことで、暮らしやすく、快適になっていった反面、「生活感」が増していき、閾値(いきち)を超えてしまったわけです。
つまるところ単純にいえば、その取り入れた「モノ」の物量さえ減らせば、生活感というのも減る、というしくみではあるはず。ただ、「生活必需品」という言葉があるくらいですから、何でもやみくもに無くせばいいというわけではありません。
ポイントは、全体の「情報量を減らす」こと。特に、
・ごみ
・色、文字、凹凸
を、すみやかに減らしていくことです。
まず、ごみ。これをすぐに選り分けること。ごみ箱(ダストボックス)は、ごみの一時保管所というよりはごみ選別グッズだと思ったほうが正解です。私たちはふつうに生きているだけで無意識にごみを発生させています。それを、テーブルや棚、床などに置かないようにするシステムを採るだけで劇的に状況は変わります。
そんなごみ箱(ダストボックス)も含めてですが、部屋の中の「色、文字、凹凸」の存在にも注意してみましょう。
部屋の中に30色溢れかえっているのと、12色と、6色では、発生する「生活感」が格段に異なります。家具や大きなファブリック(カーテン、ラグなど)はいわずもがなですが、特に洗剤等、その場に置きっぱなしになりがちな商品パッケージの文字のあるなし、形状の多様さも、「情報」としてたいへん嵩(かさ)が大きいので、それらを少しでも減らす工夫を講じてみましょう。
たとえば、愛用している、決まったメーカーの決まった商品があり、その内容物や使い方に精通しているのなら、洗剤などをシンプルなパッケージに詰め替えるというのも。洗面所という限られた空間の情報量(生活感)を減らす上で有効です。
ただし事故につながるような間違った使い方をしてしまわないようによくよく注意しましょう。大きくて薄い文字でのラベリングも一案です。
「色、文字、凹凸」の捉え方は、これら全てを多くしてしまわない、という点に尽きます。つまるところ、凹凸が多いモノを減らせないならば色を減らす、色が限れないなら文字を減らす、といったように、3つの要素を少しでもなくしていくように意識するということなのです。
すべてをいちどきに着手して変化させるのは難しいと思いますが、できそうなところから、少しずつでも「色、文字、凹凸」を減らしていってみてくださいね。