2021.05.14 「今月のBEST OF THE BEST」〜アイロンいらずの洗濯の仕方や干し方、しわ伸ばしテク
いま日常的な家事として「アイロンがけ」をしている方ってどれくらいいるものなのでしょう? 寡聞(かぶん)にして「アイロンがけ、得意! 大好き!」という人を、私はほとんど知りませんし、私自身、全く得意ではなく……。
今日日、「朝出して、夕方にはお仕上がり」などというクリーニングが「ワイシャツ1着99円」なんていう価格で気軽に頼めてしまうようでは、「わざわざ自力で下手なアイロンをかけなくても」という気持ちになるのもやむなしなのでは、と言い訳がましく思います。
とはいえ、日々の「99円」も積み重なれば山になるので、考えもの。またビジネス着用のワイシャツなどならともかく、子どもの制服シャツやブラウスなどなら、やっぱり自宅で処理したくなるのではないでしょうか。
では、どうしたら家庭の洗濯で、かつ「アイロンがけなし」でも上手にシワなく、綺麗に仕上げることができるのでしょう。
「アイロンがけ」がいる衣類のなかで、もっとも高い洗濯頻度を必要とするのはやはり「シャツ」の類ですよね。そんな「ワイシャツ」「ブラウス」に焦点を当て、まずは「洗い」の段階からくふうしていきましょう。
ワイシャツや制服ブラウスなどの多くは、「綿」か「ポリエステル」、あるいはその混紡の生地でできています。吸湿性が高く風合いがいいもののシワになりやすい「綿」を、シワになりにくく型崩れもしにくい「ポリエステル」が補う構図です。
「ポリエステル」は平たく言えば繊維状になった樹脂。高い強度や弾力性をもつ一方、静電気を帯びやすく、汚れが残りやすかったり毛玉ができやすいという欠点があり、その部分を理解して付き合っていく必要があります。
さて、シャツに付く皮脂や汗などの汚れを落とす目的だけで言えば、「綿」「ポリエステル」、またその混紡であっても、「弱アルカリ性」の洗濯用合成洗剤を使っての洗濯で問題ありません。
ただその場合、帯電を防止し、毛玉を発生しにくくする「柔軟剤」を併用しましょう。仕上がりの美しさも着心地も向上します。
柔軟剤をかけた洗濯の「すすぎ」のあとは、脱水を最小限にとどめ、なるべく水気を多く含んだ状態でシャツを厚手のハンガーにかけ、陰干ししましょう。
ハンガーにかけた時点で、目に付いたシワなどはできるだけ手伸ばししておきます。洗濯物は通常、できるだけ早く乾かすことで部屋干し臭を抑えるなど、衛生面を担保するもの。
ただ、こと、こういったシャツ類に関しては放っておいても乾燥しやすいので、若干、乾かすまでの時間をたもつことで、自然に綺麗な仕上がりとなります。覚えておいてください。
短時間での乾燥に加え色褪せを防ぐため、直射日光下に干すことは、なるべく避けましょう。
干したあとにシワが気になってしまった、あるいは洗濯のプロセスを経ずに衣類のシワを伸ばしたいような場合には、シワ取り効果のある衣類用スプレーなどを活用します。
シワ取りスプレーを効果的に使うコツは、シワのできた部分には少し多めにスプレーし、しっかり湿らせることです。ただ、水濡れや水洗い不可の衣類には使えないことが多いので、衣類の素材や洗濯表示はしっかりチェックしてください。
また入浴直後で蒸気の充満している浴室にかけておくという方法も、単純ながら効果の高いシワ取り法です。夜、かけておくと翌朝までにシワが取れ、同時にタバコなどによる嫌な臭いも飛びます。