2019.03.20 「今月のBEST OF THE BEST」〜冬アウターを自宅で洗濯
大きく、アウターに限らず、衣類の汚れには「衣類の内側からつくもの」と、「衣類の外側からつくもの」があります。
・内側からつく汚れ…汗、皮脂、垢、その他身体からの分泌物など
・外側からつく汚れ…泥、砂、ホコリ(花粉、PM2.5、煤煙、カビなど含む)、油煙(焼肉屋の煙、タバコの煙など)、水濡れ、食べ物、筆記用具、よだれや粗相(子どもやペット含む)など
アウターですから、一般的には内側からの汚れはさほどつきませんが、個人差はあります。外側からの汚れの多寡(たか)には、だいぶんライフスタイルが関与してきます。
たとえばバイク乗りの方のライダースジャケットは「煤煙(排気ガス)」汚れが多くつきますが、ファッションとして身につけている場合そこまで汚れません。ただアウターだからと言ってまったく「汗」で汚れないかといったら、すごく汗かき(脇の下など)である場合はそんなこともないのです。
各々個性やライフスタイルに照らし合わせ、自分が(家族が)身につけているそのアウターを汚す原因にはどういったものが考えられるか? そのアウターのお手入れ方法には特別の縛りはないか?(具体的には「取扱表示タグ」に記載されている「洗濯表示」の内容)を、まず確認しましょう。
衣類に付いている「取扱表示タグ」の「洗濯表示」の絵を仔細に眺めたことはありますか? 実は2016年12月に、この表示が大きく変化しました(※1)。
旧来の洗濯表示には「手洗イ」や「弱」など日本語が付記してありましたが、新しいものにはありません。すべて記号で表されています。
ともあれ間違えてはいけないところを押さえておきましょう。この絵表示で、「水の入った桶」の絵に「×」がついていたら、「家庭での洗濯は禁止」という意味です。洗いたい場合には「クリーニング店」に相談しなければなりません。
この新しい洗濯表示で示されているのは、その衣類にダメージを与えない「上限」の洗い方です。ですから表示を超える温度や強度で洗濯してはいけません。示しているその方法で行うか、それよりも弱い、穏やかな方法にするかは個々での判断に委ねられます。良くも悪くも「自己責任」ということになります。
一方ドライクリーニングは推奨されているものの「水の入った桶の絵に×がついていない」衣類については、家庭洗濯を試してみることができます。
「桶に手」の絵がある場合は「手洗い」のみ可能になりますが、「桶に数字」の場合はその水温以下での洗濯機洗濯も可能です(水流、強度については桶の下の横線の数が多ければ多いほど弱い力でという意味)。
「手洗い」では基本的に、おしゃれ着洗いなどを謳った、衣類用中性洗剤をパッケージの「手洗い」用に希釈した洗剤液を作り、用意します。ぬるま湯などではなく常温の水道水で十分です。衣類が浸せるサイズの「たらい」などがあると便利ですが、よく洗った洗面所の洗面ボウルや、浴槽でもいいでしょう。
洗えるウールのジャケット、ダウンジャケット、コート類はよくブラッシングして衣類の表面の汚れを落とした後、シミ汚れや襟、袖の垢汚れ、ポケット周辺の黒ずみなど把握できているところは見逃さないように洗濯ばさみなどでマークしておきます。
こういった部分汚れにおしゃれ着用中性洗剤の原液を少量擦り込んでおき、その後たっぷりの洗剤液に、アウターを畳んだ状態でしっかり浸けて「押し洗い」します。
この時ぎゅうぎゅう押すのではなく、あくまで手のひらで優しく押し、かるく持ち上げる、を繰り返します。その後、綺麗な水で2、3回濯ぎ洗い(同じように押し洗い)を行い、畳まれた状態で洗濯ネットに入れて10秒ほど洗濯機で脱水します。形を整えてシワを伸ばし、厚手のハンガーにかけて風通しのいい日陰に干しましょう。