2018.07.04 寝苦しい夜、どうしたらいい?~熱帯夜対策~
とはいえ、温度が高いか低いかは、ある程度体感に任せることができる反面、湿度についての正確な感度というのを私たちはあまり持ち合わせていません。湿度はともすれば温度の高低として捉えられがちで、正確に推し量ることはほとんどできないといわれています。
ですから「今晩は蒸し暑い、寝苦しい、眠れない」と体感するような日に限らず、まずは、日ごろから自分の寝室(布団やベッドで眠っている高さ)周辺の温度と湿度を「温湿度計」でモニターしておくようにしたいものです。
日々どのくらいの気温や湿度でなら眠れているのか、眠りにくいときはどういう数値を示しているのかを把握するわけです。
ベッドや布団といった寝具によって、身体の周りに作り出される環境を「寝床内気象(しんしょうないきしょう)」として示す指標があります。ひとつの目安ですが、様々な実験の結果、よく眠れる、理想とする「寝床内気象」とは『「温度33±1℃」「湿度50±5%RH」』であるということがわかりました(※1)。ちなみにこの「寝床内気象」の温度は、室温とイコールではないので注意してください。
そこで温度と湿度と日常的にセットでモニターし、夏ならば部屋の中の温度は26〜29度、湿度は40〜50%程度に整えて就寝するようにしてみましょう。ただし私たちは寝ている間にも血流で熱を身体の表面に運び、汗や呼気で水分(湿度)を出すなど身体全体を調整しながら、部屋の温度や湿度を上げています。その分も勘案して、状況に応じてエアコンやエアサーキュレーターといった道具を活用するようにしましょう。
ただ、冬は冬で寒すぎて寝つきが悪くなることがあるように、寝室の温度がやや高いからといって、やみくもにエアコンの冷気や風量を強くするのも考えものです。寝床で身体が直に触れるシーツなど、涼感をもたらす竹やい草などの素材のものに切り変えたり、身体が触れている部分から余計な熱が伝導して失われるように「涼感ジェルマット」を敷いて眠るなどのくふうを講じられるとより良いでしょう。
眠りながら私たちの身体の表面から出る汗は寝具を濡らし、血流とともに皮膚に上がってくる熱は赤外線となって周囲に熱放散し続けます。寝室となっている部屋を締め切りで放っておくと、梅雨から夏にかけての気候も相まって部屋の温度も湿度も上がり、アレルゲンとなる「カビ」や「ダニ」を寝床内で増やしてしまうおそれもあります。それらに感作して咳やくしゃみや皮膚のかゆみを生じ、寝入りを悪くすることもありますので、この点も覚えておいてくださいね。