2019.02.06 周囲の人に不快感を与えない香りの楽しみ方

とはいえ近年「香害」という言葉が、問題視されているのはご存知ですか? 自然の体臭や、口臭といったもの、そのものではなく、それを打ち消そう、覆い隠そうと使用する人工の香りの害が取りざたされているのです。
私たちの身の回りにある、「不快」を打ち消すために使われる香りのせいで、身体やこころの健康を損なってしまう人が増えています。その行き着く先は「不快」どころではなく、公共交通機関にも乗れない、会社や学校にも通えないなど、通常の日常生活が営めない状態にまで追い詰められてしまうケースもあるほどです。
もちろん、自分の体臭が気になるあまりに、家の外に出たくない、出られないという苦しみもあり、それを解消するための「香り」もあると思いますので、人工の香りが全て「悪い」と言えるほど単純な話ではないといえるでしょう。
ただ、その「香り」は、適切なのか、「過剰」なまでにまとわれているものではないか? 「程度」という頃合いを見計らう感覚をもって、まとわれたものでしょうか?
もしそうでないのであれば、「香り」というのはタイミングや場所や状況、その場にいる人の体調などにも受け取り方が左右されうる、目に見えない一種の暴力となりうる「精妙な道具」だという認識を、改めてもっていただければと思います。
身の回りに私たちが意志を持って置いたり、まとったりするための「香り」を打ち出した製品。たとえばシャンプー、リンス、制汗剤、オーデコロン、化粧品、洗剤、柔軟剤などなどは、ほとんど自分で買う時にその「香り」を確かめ、選ぶことができるものです。
その香りの成分、強度、使用するにあたっての適切な量についても、ぜひ思案してみてください。そしてそういった情報を把握したうえで、購入使用するようにしてみてください。