2018.06.20 排水まわりの詰まりとニオイが気になる!

私が解決します!
大手住宅メーカー勤務を経て、主に住まい・暮らしまわりの記事を専門に執筆。
現在は企画、広告、商品開発アドバイザーなど多様な業務に携わる。
TV「マツコの知らない世界」に1000個の掃除グッズを試した主婦として出演も。
著・監修書に『この一冊ですべてがわかる!家事のきほん新事典』など。
「排水口」。日々の暮らしの中で排出される、文字通り「排水」「汚水」を流し込む場所。確かに、そうまじまじと眺めたい場所ではないのも道理です。
さてしかし、この排「水」口。そこに流し込んでいるのが汚くとも「水」である限りは、そう恐れることはありません。「水」ならきちんと流されるようなしくみになっています。あくまでも「水」ならですが。
問題は、「水」以外のものを流し込んでしまった(しまっている)場合です。例えば洗面所や浴室なら「髪の毛」、キッチンなら「細かい食材」や、「冷えると固まる油分」などが多いのですが、これらが溜まり滞ると「物」を流せるほどは太くない排水管が「詰まり」を起こしてしまうことは、確かにありえます。
でも「排水」の「口」部分にはバスケットやネットを設置しておき、そこに溜まったゴミの類をちゃんと取り除いてさえいれば排水管が詰まる恐れなどは本来ありません。ゴミを取る程度の手間ですから「掃除」というほどの大掛かりな作業も必要ありません。
つまり私たちが考えるほど、「排水口」そのものが詰まったり、臭ったりすることというのは、そう、ありません。実のところ「すごい臭い」のような事態の原因というのは、ちょっと違うところにあります。
ではなぜ「排水口が臭う」という事態が起こるのでしょう。その秘密は私たちの住まいに設けられている主だった「排水口」の構造にあります。
線路は続くよどこまでも……、ではありませんが、私たちの住まいのキッチン排水口から海まではつながっています。例えば我が家の、このお皿をジャーっと洗った水(排水)は、シンクの排水管からマンション共用の排水管に合流しその後、下水道に流れ込み様々な家々の汚水、街に降った雨水などと混ざり合いながら太くて大きな管渠(かんきょ=水路)を流れて地域の水再生センター(かつての下水処理場)に行き着きます。そこで再生されたのち近隣の河川に放流、海に行き着きますよね。
このように「つながっている」ということは、言ってみれば我が家の排水口から「道一本」なわけです。でも下水道というのはかなり臭い空間であるはず。その管がダイレクトにキッチンに開いていたら、すごく困りませんか? 臭いが入ってきてしまうということですよね?
実はそんなふうに臭い、汚水、それから害虫や害獣が逆流してこないようなしくみが各排水口(の手前)には、なされています。それが「排水トラップ(封水)」で、「水を流す部分を、水で閉じている」ものです。
排水トラップには幾つかの形状、タイプがありますが(よくあるのが洗面所などのS字にぐにゃっと曲がっている管タイプ)、どれも主なしくみは同じです。
ただ、通常ではきちんと「水で閉じている」排水トラップの封水なのですが、旅行などでしばらく留守にしている間に蒸発してしまったり、強い勢いで水を流しすぎたり、または気圧の変化などの影響でそこに「水がなくなってしまう」ことも、まれにですが起こります。
そうなると大変。下水管の空気がお部屋の中に流れ込んできてしまい、つまりは「すごい臭い」にも……。
「洗面所の排水口あたりから、気持ちが悪くなるほど臭いニオイが急に漂い出して…どうしたらいい?!」ということに、なるほど、なりえてしまうわけです。
ですからこの場合にすぐできる対策は、まずは「その排水口にすぐ、水をそっと流してみる」ことです。原因が封水にあるのであれば、すぐに臭いは止まるはず。
それでもなお臭いが止まない場合には、排水口周りの異常、すごく汚れが溜まっているかもとか、排水トラップに何かが詰まってずれているかもとか、穴が空いているかもとかいうことを考え、チェックしなければなりません。ここは、できれば住宅設備のプロに確認をお願いしたほうがいい部分です。
さて、いろいろ得体が知れないけれども、封水の有無に思いをはせられる程度に、なるべく長期に渡ってアンタッチャブル化しないというのが排水口周りをおかしくしないためには不可欠な態度です。
ですので、とりあえずは目の前に引っかかっている大物のゴミ、キッチンならネットに引っかかっている食材、洗面所や浴室なら髪の毛は都度取り除きましょう。気づいてもなかなか動けないような場合には張り紙でもしておいて「1日1回ゴミを取る」のを自分に課し、ゴミがあってもなくてもネットを交換する決まり化するのが良いでしょう。
加えて各排水口にキッチン用など泡タイプの「次亜塩素酸ナトリウム」スプレーを、1日の最後にワンプッシュして寝る、というのが効果的です。たとえ泡の維持が5分程度でも、除菌効果で排水口周りでの夜中の細菌繁殖が邪魔されるので、ヌメリが発生しにくくなります。
いわゆる「排水パイプ洗浄剤」というのも、粘度や濃度が高い(どろっとしている)という違いはありますが、主な成分の一つが「次亜塩素酸ナトリウム」である点で前述の泡タイプと似通っている存在です。
ただパイプ洗浄剤の場合は排水管内に詰まった「髪の毛」を溶かせるほど強アルカリの「水酸化ナトリウム」が主成分ですので、あまり軽々な使い方はふさわしくありませんので念のため。それでも注意しながら夏場などは月に1回ほどのペースで流し込んでおくことでヌメリ、詰まりを予防できますので、ぜひ覚えておいてください。
DCM 排水パイプ洗浄剤 1000ml
台所、浴室、洗面所の排水管のつまり・ニオイをすっきり! アルカリパワーがぬめり、黒ずみなどの汚れを強力に分解し、除菌効果でにおいをしっかり消臭。
月に一度の使用でにおい・つまりをしっかり予防する。
藤原さんもおすすめ!
本当ならあれこれ取り出して内部までしっかり洗いたい排水口ですが、それは今はちょっとハードルが高いくらいに汚過ぎる……というときに、とりあえず「放置」掃除できるのがこのタイプの粘度の高いパイプ洗浄剤なのです。
キッチン排水口、洗面所の洗面ボウル排水口、洗濯機排水、浴室排水口に、
規定量垂らしてしばらく置き、水をしっかり流すだけ。
目先のドロドロが無くなった後、ぜひ勇気を出して排水トラップを取り出して
「見て」下さい。