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日中はまだまだ暑さが残る9月ですが、盛夏とはあきらかに違って空は高く澄み切り、夜空もきれいです。旧暦の8月15日(現在の9月18日頃)は「十五夜」と呼ばれます。お月見はおなじみの行事ですが、あらためて十五夜とその由来、お月見の楽しみ方についておさらいしましょう。
中国では旧暦の7月を初秋、8月を仲秋、9月を晩秋と呼び、その月の満月の夜には月見の宴を催すならわしがありました。中でも旧暦8月15日の夜は「十五夜」と呼ばれ、夜の月は1年中で最も明るく美しい「仲秋の名月」として、季節の果物や花を供え、月を愛でる「お月見」の行事が行われたのです。
中国の「お月見」のならわしは奈良時代に伝わり、平安時代には宮中で華やかなお月見の行事が行われました。江戸時代になると、ただ月を鑑賞するだけでなく、五穀豊穣を願って月にお供えをするという行事として庶民社会にも定着しました。お供えは収穫したばかりの里いも。これにちなみ、十五夜の月は「芋名月」とも呼ばれます。
縁側がなくても、窓辺やベランダで手軽にお月見を楽しみましょう。
小さな台やテーブルを置いて月見の台にします。縁側やベランダ、窓のそばにセッティングしましょう。きれいなクロスをかけても素敵です。
花瓶を用意し、すすき、秋の七草などを中心とした季節の花を飾ります。すすきは、神様が宿る稲穂の代わりと考えられていました。切り口が鋭いことから魔除けの力もあると言われています。お月見のあとは軒につるすと一年間無病で過ごせると言われています。
すすき、萩、おみなえし、ききょう、くず、なでしこ、ふじばかまの7種類。万葉時代の詩人、山上憶良が詠んだ秋の七草の歌「秋の野に咲きたる花を指折り数ふれば七種の花」、「萩の花 尾花葛花なでしこの 花をみなへし また藤袴朝顔の花」が知られています。ここで詠まれた尾花はすすき、朝顔はききょうのことです。
お米の粉でついた白いおだんごを15個お供えします。三方に、一番下の段が8個、次に4個、2個、1個と積み上げます。おだんごの数は、通常の年は12個、閏年なら13個というように年によって変わる説もあります。
旬の里いもや果物、月に似た丸いいも類をお供えします。ちなみに、里いもの皮を残してゆでた「きぬかつぎ」は、平安時代の女性が頭にかぶる、布をかぶせた傘の名称。そこからのぞく女性の顔を里いもに見立てています。
月餅はお月見には欠かせないお菓子です。丸いもなかや、月のうさぎをモチーフにしたねりきりなど、十五夜の季節には和菓子店でお月見にちなんだお菓子が並びます。丸い形のお菓子はお供えにぴったりです。
昔は地域によって十五夜の日に「子どもはお供えや畑の作物を盗んでもいい」という風習がありました。「神様が食べてくれた」、「よいことがある」と縁起の良いこととされていたそうです。盗まれただんごの数を競ったという説もあります。
1ヶ月後の10月15日頃、もう一度お月見の行事があります。それが十三夜です。昔は十五夜の月と十三夜の月の2回のお月見が行われていました。どちらか1回しか見ないことは「片見月」として忌み嫌われたともいわれています。十三夜のお供えは栗や豆。それにちなんで「栗名月」、「豆名月」とも呼ばれます。十三夜は日本のオリジナルの行事です。「日本の行事を楽しむ12ヶ月 くらしの歳時記」「伝統の作法と最新マナー冠婚葬祭常識事典」 (ともに主婦の友社刊)より
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