2018.01.05 赤ちゃん・子どものお祝い事!出産から成人式までの行事まとめ|暮らしの歳時記~今さら聞けないマナーと常識~

自分の生まれた土地の守り神に、初めてお参りする風習がお宮参り。生まれた土地の守り神を産土神(うぶすながみ)といいますが、先祖の守り神である氏神(うじがみ)様にお参りする場合もあるようです。地方のしきたりによりますが、生後1カ月前後を目安に行います。
当日は父方、あるいは母方の祖母が白羽二重の内着を着た赤ちゃんを抱き、その上に祝い着を羽織らせ、母親はそばに付き添います。男の子は黒や紺の地色に松や鶴、鷹や武者などの図柄でたくましく、女の子は花や蝶、手毬などの友禅模様でやさしく愛らしく整えます。
神社では神主の祝詞とお祓いを受け、玉ぐしをささげて、子どもの健やかな成長を祈願します。神社からいただいたお神酒やお札、お守りは自宅の神棚に供えます。お世話になった家や親戚にお礼の挨拶に回り、内祝いの品を配った後、近親者で祝い膳を囲むというのが従来のお宮参りの進め方です。現在もお宮参りの習慣は根強く残っていますが、その方法は簡略化されています。
冠婚葬祭の「冠」とは、子どもの成長に伴う祝い事全般をさします。「冠」の由来となったのは、男子が初めて冠を被る元服の儀式である「加冠の儀」。女の子には長いたれ髪を初めて結い上げる「髪上げの儀」などの儀式があり、それが今日の成人式の原型となっています。
これらの儀式を済ませた男女は「一人前」とみなされ、一族の繁栄にもつながるというので、とても大事な儀式とされていました。明治維新以後は次第にすたれ、昭和23年、1月15日を「成人の日」と定め、満20歳になった男女を祝う日になったのです。現在では、成人の日は1月第2月曜日となり、各地で式典や祝賀パーティーが開かれています。
「伝統の作法と最新マナー 冠婚葬祭常識辞典」、「日本行事を楽しむ12ヶ月 くらしの歳時記」(ともに主婦の友社刊)より