2025.03.26 花粉・黄砂・融雪剤…春の洗車の注意点とコツ

春の特有の汚れといえば、花粉や黄砂があげられます。花粉は粘着質のため、しっかりと洗車しないと除去できません。また、放置していると花粉から排出されるペクチンという成分によって、シミが発生します。黄砂も放置するとザラザラこすれてキズつきの原因になりますし、塗装やコーティング被膜がダメージを受けてしまうこともあるので注意が必要です。いつもより洗車の頻度をあげこまめに落としましょう。
また、降雪地で冬の間に雪道に撒いた融雪剤も、冬の運転中だけでなく雪解け時にも泥はねと一緒に車についてしまいます。融雪剤や凍結防止剤には塩化カルシウムや塩化ナトリウムが含まれており、ボディだけでなく下回り、アンダーシャーシ、ホイルなどにサビをもたらす可能性があります。サビが進行すると、塗装面を侵食し、最悪の場合ボディに穴が空いてしまうこともあります。
もう一つあまり知られていない汚れは「樹液」です。樹液は春から夏にかけて植物の成長期に多発します。固まると天然の樹脂となり水に溶けないため、通常の洗車では除去しにくく、長く付いていると塗装表面の変色につながります。また、無理やり剥がそうとすると塗装自体が剥離する可能性があるので、気付いたら早めの除去をおすすめします。
洗車する際に、「大量の水で汚れを洗い流す」ことが基本となります。特に春は、車体に花粉や黄砂の粒子が付いているので、あらかじめたっぷりの水で洗い流さずにそのままスポンジなどで擦ってしまうと、ボディに傷がついてしまいます。
そのためこの時期は、ブラシでボディをゴシゴシと擦る洗車機にそのまま車を入れることはあまりおすすめできません。まずはホースや高圧洗浄機でボディ全体を水洗いし、極力擦らずに洗うことを、いつも以上に意識しましょう。
車に花粉汚れがこびりついてしまった時は、お湯が効果的です。花粉に含まれるペクチンは60℃から80℃の温度で分解されるので、お湯を使うとキレイに洗い流すことができます。45℃くらいのお湯でもかなり落としやすくなるので、ぜひ試してみてください。
樹液がついてしまう場合、硬化する前に熱湯をかけて軟化させると取り除きやすくなります。
カーシャンプーを使用する際、ボディやスポンジに直接シャンプーをかけるのは厳禁です。少し水を張ったバケツにシャンプーを混ぜ、そこへ水をシャワー状にかけてしっかりと泡立てます。
ほとんど泡になってきたら、なるべく柔らかいスポンジで、バケツの水ではなく泡をすくって洗車します。泡が汚れを包み込んでやさしく落としてくれるので、よりキズが付きにくくなります。スポンジはなでるようにやさしく使いましょう。
順番としては、まずホイル・足回りを洗い、その後車の高い所から、上から下に汚れを洗い落としていくようにします。黄砂はワイパーや窓などのゴム部分にたまりやすいので、その部分を丁寧に洗いましょう。
泡で洗車をしたら、しっかりと流水で洗い流しましょう。その後は自然乾燥に任せず、吸水性のいいセームやクロスなどでふき取りを十分行います。しっかりふき取らないと、残った水分がシミや水垢など新たな汚れの原因となります。