2017.10.12 ユニットバスの詰まりは早めに掃除!放っておくと大変なことに

ユニットバスの排水の詰まりは、たいていシャワーを長く使っているときに気づきます。シャワーから流れるお湯の量よりも、排水口から排出する量が少ないため、どんどん洗い場の床がお湯であふれてくるからです。お湯に浮くゴミや髪の毛にギョッとして、頭や体に泡がついた状態で、急いで排水口の掃除をするはめになってしまいます。下手をすると脱衣所まで水浸しになり、浴室が2階以上にある場合、階下へ汚水が漏れ出してしまうでしょう。普段は目に見えないため、いざ排水の流れが悪くならないと気づかない部分ではありますが、早めに掃除をして詰まりを予防することが基本です。そこで、ユニットバスが詰まった際の掃除の方法や、詰まりを防ぐコツなどを紹介します。
ユニットバスというと、ホテルでよく見る洗面所とトイレが一体になっているプラスチックで囲まれたお風呂をイメージしませんか?たしかに、そのバスルームもユニットバスで間違いありません。このように、お風呂、洗面所、トイレが一体になっているものは3点ユニットと呼ばれます。お風呂と洗面所が一緒だと2点ユニットといいます。
では、お風呂1点だけのものはユニットバスとはいわないのかといえば、そんなことはありません。音楽ユニット、新ユニット結成などの言葉を見聞きしますが、ユニットは、単位、集団、組織などを指す言葉です。ユニットバスは、浴槽、天井、壁、床など成型したパネルや部材を組み立てて一体化したものというのが本来の意味です。つまり、お風呂1点だけしかないユニットバスも当然あります。ユニットバスのほかに、システムバスと呼ばれることもあります。
そのため、うちはトイレも洗面所も独立しているのでユニットバスではないと思っていた人もいるでしょう。しかし、実はユニットバスだったということが多いものです。ちなみに、ユニットバスは和製英語であり外国では通じません。英語では、modular bathや、prefabricated bathと呼ばれます。ここでは、ユニットバスやシステムバスで排水の詰まりが起こった場合の解消法を紹介します。
ユニットバスの排水が詰まる原因で、一番多いケースが髪の毛です。洗髪の際に抜けた髪の毛が、排水口のヘアキャッチャーなどの受け皿や排水トラップに大量にからまって排水の流れが悪くなります。ヘアキャッチャーの掃除がわずらわしいからと、受け皿になるものを外して使うのはおすすめできません。どっちみち排水トラップや排水管に大量の髪の毛がヘドロ状の汚れとからまり、大がかりな清掃が必要になるからです。家族構成にもよりますが、髪の毛の長い人が多い家庭では、その分抜け毛の量が多くなりがちなため早め早めの清掃が欠かせません。
キッチンの排水口のゴミ受けの網目状のかご(ストレーナー)を清掃したときに、ヌメヌメとした汚れを発見したことがありませんか?そのヌメヌメを放っておくと、汚れがたまり悪臭の原因になり、ストレーナーの網目が目詰まりして排水の流れも悪くなります。
シンクではさまざまに調理した汁や残飯などを処理するため、汚れが付いてしまうのはやむを得ないとせっせと掃除する人は多いでしょう。しかし、ユニットバスの排水管にもヘドロ状のヌメヌメとした汚れが付着しています。その原因になるのが、浴室で洗い流した人の皮脂や洗浄料のカスなどの汚れが長い間かけてこびりついたものです。掃除をしなければ徐々に堆積して髪の毛などとからまり、どんどんと排水が通る管が狭くなり、ついにはふさいでしまいます。
ヘアキャッチャーなどを外したまま使うと、うっかり身体に貼っていた湿布やばんそうこう、ヘアピンやヘアゴムなどの小物を流してしまうこともあるかもしれません。それが、排水管のヘドロ状の汚れにからまって水の流れをふさいでしまい、一気に排水管が詰まってしまうこともあります。
排水口が詰まったり排水の流れが悪くなったりしても、時間をかければそのうち流れていくから、と放っておくとどうなるのでしょうか。まずは、たまったゴミが流れずに湿った状態が続くため雑菌が繁殖して臭いが気になってきます。さらに、石鹸カスや髪の毛を栄養源とするコバエが、たまった汚れに卵を産み付けるためにどこからともなく忍び込みます。おそらくは天井の換気扇や玄関、窓などから侵入しているのでしょう。最初のうちは数匹だけなのでシャワーのお湯をかけて退治したり、コバエ用の殺虫剤などを噴霧したりする人も多いようです。
しかし、その場では退治できたかに見えても、しばらくするとまた姿を見かけるようになります。そして、徐々にその数は増えていき、気がつけば壁に数十匹が張り付いていた、という体験をした人もいます。
このコバエの正体は「チョウバエ」で、羽を広げた成虫の姿が一見正三角形に見える体長4~5ミリのハエです。体は小さくても繁殖力はすさまじく、なかなか完全に駆除するのが難しい害虫です。皮脂汚れや石鹸カスが大好きで湿った場所で生息し、汚れに卵を産み付けます。1度殺虫剤を使っただけでは全滅というわけにはいきません。駆除するためには、汚れを落としチョウバエ専用の殺虫剤を何度か使うことになるでしょう。
汚れや詰まりをそのままにしておくと、排水管に向けて水圧の強い熱めのシャワーを流すぐらいのことでは詰まりは解消できません。そのうち、お湯を大量に使ったときには汚水が逆流することにもなりかねません。そうなると洗い場や壁の除菌清掃などで大がかりな後始末が必要になってしまいます。
天然成分のナチュラルな洗剤として、重曹やクエン酸を利用する掃除方法がテレビや雑誌などのメディアで取り上げられ一躍ブームになりました。さまざまな配合でスプレー状にしたりペースト状にしたりと、どんなところにも安心して使える万能な洗剤として人気です。
しかし、日常的に掃除している場所の汚れを落とす程度なら何の問題もないのですが、排水管にこびりついたヘドロ状の汚れを落とすには少々心もとないといえるでしょう。汚れの落ちが悪く、何度も濃度を変えて試してみるのではかえってコストも時間もかかってしまいます。
一度ですっきりと汚れを落としたいなら、排水管の清掃に特化した専用の洗剤が適しています。排水管のヘドロにしっかりと薬剤が行き渡る粘度の濃いタイプや、髪の毛などの有機物を溶かすタイプなど、各洗剤メーカーが安全性を考慮して商品化したものがやはり効果も高く安心です。浴室の排水口の他にもキッチンや洗面所でも使え、パイプを傷める心配もありません。
排水の流れが悪くなったときに最初に確認するところはヘアキャッチャーの詰まりです。排水口のカバーなどを外しヘアキャッチャーの上にたまっている髪の毛やゴミなどを取り除きます。ティッシュを重ねてぬぐうように取るのでも、割り箸や古歯ブラシを使うのでも、ゴム手袋を使うのでも良いです。抗菌コートなどで加工されている素材は傷を付けないように気をつけてください。
中の排水トラップにもゴミがたまっていることもあるため、ヘアキャッチャーを外して中を確認し割り箸などですくい取ると良いでしょう。そのまま排水管に流してしまうと下水管が詰まり、個人でどうにもならない場合は業者による大がかりな清掃が必要になってしまいます。
ヘアキャッチャーは、定期的に取り外して浴室用洗剤をつけて古歯ブラシなどでこすり洗いしましょう。その際に、排水トラップの外せる部品はすべて外して洗剤で洗うと、いやな臭いの発生が防ぐことができ衛生的です。ただし、部品を外したあとは正しく元の位置に戻しましょう。正しく取り付けないと段差のすき間からゴミが流れ出して詰まりの原因になってしまいます。洗剤成分をバケツ1杯程度のぬるま湯でしっかりと流しておきます。パイプを傷めるため60度以上の熱いお湯を使うことは避けましょう。
たまった髪の毛やゴミを取り除いても排水の流れが悪い場合は、排水管の詰まりが原因です。スーパーやホームセンターなどで手に入る排水管洗浄剤を使用するのがおすすめです。発泡タイプ、ジェルタイプなど各洗剤メーカーからさまざまなタイプのものが出ていますので、掃除方法の説明をよく読み、気に入ったものを使ってみると良いでしょう。洗剤を流し入れてしばらく放置するだけで詰まりがかなり改善されます。
浴室だけではなく洗濯の排水の流れも悪いという場合は、奥の下水管が詰まっていることが考えられます。その際は、ホームセンターなどで販売しているワイヤーブラシを差し込んで、排水管の詰まり部分を直接刺激する方法が有効です。ワイヤーブラシとは、金属製の何メートルもある長いワイヤーの先端部分にらせん状のヘッドや硬めのブラシが付いているものです。専門の清掃業者が使うものよりは簡素ですが、ある程度の詰まりが解消されたという声も実際にあります。
ただし、排水管の中に固形物が詰まっている場合は、排水管を傷つけてしまう危険性もあるため慎重に進めなければなりません。一気に奥まで通そうとせず、少しずつ引き抜いて汚れを除去しながら、排水の流れを確認するという方法が無難です。無理に奥まで進めてしまうと、詰まっていた固形物にブラシが引っ掛かり、逆に抜けなくなってしまうこともあるため注意が必要です。自分の手に負えないと感じたときは深追いせず、専門の業者に相談することをおすすめします。
排水管の詰まりを予防するために一番効果的な方法は、抜け毛が流れるのを防ぐことです。ヘアキャッチャーが髪の毛やゴミが排水管に流れるのをある程度はせき止めてくれます。しかし、なるべくなら見たり触れたりしたくないため、排水の流れが悪くなってからようやく掃除する、という人もいるかもしれません。そんな人におすすめなのが、排水口に貼るシールタイプの網目状の商品です。はがしてゴミごと捨てられるので、髪の毛をかき出したり手を汚したりせずに済みます。また、排水口にかぶせる山型の網目のヘアキャッチャーなどもあります。使い捨てではなくコスパを重視したい人におすすめです。
また、排水の流れが悪いと感じながらもギリギリまで対策を施さない人もいるのではないでしょうか。しかし、洗髪後のすすぎで大量のシャワーを流しているときに、洗い場の床にお湯がたまりどんどん水位が上がるような状態は避けたいでしょう。そうなる前に、定期的な排水管のメンテナンスによって詰まりを防ぐことは可能です。家族の人数にもよりますが、1カ月に1度、2カ月に1度などのサイクルを決めて使用すると良いでしょう。
浴室はいつも清潔な状態でリラックスして入りたいものです。しかし、いやな臭いやカビ、害虫が発生しているのではおちおちくつろぐこともできません。日頃から簡単な掃除で済むように、目についたゴミをすぐに捨てる癖をつけておけば、そうそう排水管が詰まることはないでしょう。
マンションなどの集合住宅なら年1回の定期清掃などで全戸一斉排水管清掃が実施されるため、業者の高圧洗浄作業で排水管の詰まりとは無縁のところがほとんどです。
しかし、一戸建ての場合は自分で管理をするしかありません。ゴミを流すことは防げても、体の皮脂や化粧品や整髪料の油が流れるのを防ぐことはできません。そのためにも、排水管洗浄剤による定期的な排水管のメンテナンスが必要です。